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「夫婦の振りをするなら必要だよね」  アイザックはリアンを自分の部屋に連れていき、ベッドサイドチェストから小さなケースを取り出した。 (なんだ?)  ケースの中には銀の指輪が二つ。  アイザックはリアンの手を取り、右手の薬指に指輪をつけた。 「えっ? なに、これ」 「結婚指輪」 「いやいやいや、なんでこんなもん持ってんだよ! ていうか、これサイズぴったりなんだけど?」 「寝てるときにこっそり測ったからな」 「はあ!?」 「でもこれだけじゃまだ弱いから、ちゃんと協力しろよ」 「いや指輪はどう――」  アイザックはリアンを抱き寄せ、キスで口をふさいだ。 「……なっ……ん……」  うねるような舌がリアンの口の中を蹂躙(じゅうりん)する。  混乱したリアンはされるがままだ。 (はあ……リアンは唾液ですら甘いんだな)    口内を味わいつくしたアイザックがようやく唇を離すと、カクン、とリアンの膝の力が抜けた。 「大丈夫か?」 「……なんで、こんなキス……」  「夫婦ならイチャイチャして見せないと。ぎこちないとすぐにバレちゃうよ」 「だからって――んんっ!」  アイザックは濃厚なキスを続けた。 「ア……んっ、あ……」 「好きだよ、リアン。大好きだ」  キスをしながらシャツをめくられ、大きな手で素肌を撫でられる。  抵抗しなきゃと思うのに、なぜか力が入らない。  アイザックは軽々とリアンを抱き上げ、ベッドに優しく横たわらせた。  騎士団の制服を脱ぎ捨てると、分厚い胸板や綺麗に割れた腹筋が露わになる。  アイザックはリアンのシャツを脱がし、首筋に吸いついた。 「あ、アイザック、やめ……」 「新婚ならキスマークくらいないとおかしいだろ」 「え……あ、ちょっ」  さらに強く吸うアイザック。 「うう……」  リアンはどうしたらいいかわからず、ギュッと目をつぶった。 「……これでよし」  リアンの真っ白な首筋に赤い跡がついた。 「他のやつが手を出せないように、身体中につけないとね」  二度と他の男に触らせるものか。  嫉妬にかられたアイザックの愛撫は止まらない。  首筋から胸、胸からお腹へ、微妙な加減で舐めたり吸いついたりしながら、さらに下へとおりていく。 「そこはダメ――」  リアンの下着からペニスを引き出し、愛おしそうに口づけをした。 「やめろ! 汚いだろ」 「リアンに汚いところなんてない。身体の隅々まで綺麗だ。ここだって……」  先端を執拗に舐められ、押し寄せる快感にリアンは必死にあらがう。 「ああ、ダメだってば……うぅ、そんなところ……」 「気持ちいいだろ?」  アイザックは根元まで一気に口に含むと、何度も強く吸い上げた。 「ああっ、ダメ。出ちゃう」 「イって、リアン」 「あ、イっちゃうから……離して、アイザック……あっ、あっ、ああ!」  欲望にあらがうリアンだったが、抑えきれずにアイザックの口の中に放出した。 「……バカ……後で、覚えてろ……」  うとうとしながらも、憎まれ口を叩くリアン。  アイザックはそんなリアンを見て、満足そうな笑みを浮かべた。        
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