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告白の行方
その日の夜、リアンはシャワーを浴びながら、今日はどうするのかなと考える。
(あれから毎日のようにキスしたり触られたりしてるもんなあ。流されてる俺もいけないんだけど……。するんだったら念入りに洗ったほうが……いや、それだとなんか期待してるみたいだし……普通でいいや、普通で)
部屋に戻ると、いつものようにアイザックが待っていた。
ベッドの上でリアンに薬を塗りながら、申し訳なさそうに謝る。
「悪かったな。変なことに巻き込んで」
「おまえのせいじゃないんだから気にするなよ。……けど、あんなお嬢様に好かれて、ちょっとはその気になったりしないのか?」
「なるわけないだろ、おまえがいるのに」
リアンは、そう言われてホッとしている自分に気づいた。
「……おまえ、そんなに俺のことが好きなの?」
「うん」
「いつから?」
「いじめっ子から守ってくれたときから」
「そんなに前から?」
「だって、めちゃくちゃカッコ良かったもん! あいつら、みんなリアンより大きかったのに、あっという間に倒しちゃって。あんな風に助けられたら、誰だって好きになっちゃうよ」
「なんか、さっきのお嬢様と似たようなシチュエーションだな」
「あんなのと一緒にするな。俺はもっと一途で純粋だ」
「くくっ、ごめんごめん」
「今日も一緒に寝ていい?」
アイザックは包帯を巻きながら甘えた声を出す。
「……いいけど、あんまり変なことするなよ」
「変なって?」
「だから、その、あそこをアレしたりとか……」
「アレって?」
「もうっ、言わせようとするな!」
リアンがアイザックを枕で叩く。
「あはは」
「こいつめ」
楽しそうにじゃれ合う二人。
「リアンが嫌ならしないけど……結構、気持ち良さそうだよね?」
「そういうこと言うなってば!」
「リアン」
「なんだよ」
「可愛い」
「……っ、バカ!」
照れ臭そうに目をそらすリアンに、アイザックはチュッと軽いキスをした。
「そろそろ寝ようか?」
「え……」
「物足りない?」
「そんなわけないだろ!」
「ほんとに?」
黒曜石のような瞳でじっと見つめられて、「まあ、ちょっとだけ……」とリアンが呟く。
「じゃあ期待に応えないとな」
リアンの言葉に興奮したアイザックが、激しい口づけをする。
リアンも積極的に舌を絡ませた。
「リアン、大好きだ」
「――俺も」
アイザックの動きが止まる。
「今、なんて……」
「俺も、アイザックが大好きだ」
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