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もう離さない ※
(全部って……ほんとにいいのかな)
アイザックは興奮を抑えつつ、リアンの手を引く。
「まず、風呂に入ろう」
「風呂で準備するのか?」
「うん。俺にまかせて」
「わかった」
***
アイザックはいつも一緒に風呂に入りたがる。
リアンは一人でのんびり入る方が好きだったが、アイザックが髪を洗ってくれるのが気持ち良くて、今では自分から誘うこともある。
だから今回も、一緒に風呂に入ることに抵抗はなかったのだが――。
(まさか“準備”があんなに大変だと思わなかった……)
ぐったりとベッドに横たわるリアンに、アイザックが優しく声をかける。
「ごめんな。リアンにばっかり大変な思いさせて」
「まあ、びっくりしたけど……これでおまえを受け入れる準備ができたなら嬉しいよ」
「そういうとこ、好きだよ」
アイザックは、リアンの傷跡にキスをしながら、背中の感じるところをゆっくりと指先でなぞっていく。
「んっ……」
「ここ、感じやすいよね。ここも……」
「あ……ん……気持ちいい」
アイザックはリアンの後ろの蕾に軽く指を押しあてる。
「こっちも気持ち良くしていい?」
「……ん」
リアンは恥ずかしそうに頷く。
アイザックは指先に香りのいいオイルをたっぷりと付けた。
「中をほぐすから、痛かったら我慢しないで言ってね」
「うん……」
リアンの後孔に、アイザックの指がゆっくりと入っていく。
風呂で洗浄しながら広げたが、まだ指一本しか入らない。
(焦っちゃ駄目だ。絶対に傷つけないようにしないと。無理に入れなくても、俺たちにはたっぷり時間があるんだから)
しばらく中をいじり、後蕾を丁寧に弛めていると、リアンの背中がビクンとはねた。
「痛かった?」
「いや、なんか……大丈夫、続けて」
「わかった。我慢するなよ」
(さっきこの辺で反応したよな)
アイザックの長太い指が、リアンの胎内にあるしこりのようなものを探り当てた。
(ここか)
ぐいっ、と指を曲げるようにして押すと、「ああっ!」とリアンが嬌声を上げた。
「ここ、感じる?」
「なに、これ……ああっ……怖いよ、アイザック」
「すごいね、初めてなのにそんなに感じるなんて」
ぐりぐりと感じるところを押しながら、中に挿れる指を増やしていく。
「ああ、ンッ――あっ、あっ、だめえ!」
涙を浮かべて嬌声を上げるリアンに、アイザックのペニスが痛いほど硬くなる。
「指が三本入るようになったよ」
「いいから……早く挿れろ」
「……わかった」
アイザックはゴクリと唾を飲み込み、屹立したペニスをリアンの胎内に押し込んだ。
ズ……ズ……少しずつ自分の中に侵入してくるモノを、リアンは息を吐きながら受け入れた。
「大丈夫か?」
「う、ん……けど……この体勢、やだ。おまえの顔を見ながらしたい」
「でも、仰向けだと苦しくないかな……」
「大丈夫だから……お願い」
「わかった」
リアンの身体を仰向けにして、太ももを押し開く。
「続けるよ」
「うん……こっちの方がいい」
リアンの紫水晶のような瞳が涙で濡れている。
「痛い?」
「……痛いっていうより、苦しい」
リアンは両手をアイザックの方へ伸ばす。
「抱きしめながら挿れて」
「うん」
アイザックはリアンを腕の中に抱え込み、注意深く奥へと侵入していく。
「あっ……ああ、アイザック……ああっ……」
「少し揺さぶってもいい?」
「い、いいよ」
アイザックはリアンを抱き締めたまま、ゆっくりと腰を動かしていたが、とうとう耐えられなくなった。
「もっと、激しくしてもいい?」
泣きそうな声で言われて、リアンは思わず笑みを浮かべた。
「望むところだ」
「ふっ……ありがとう、リアン」
アイザックが激しく腰を振り、熱杭を思い切り奥へ突き入れた。
「ああっ!」
(苦しい……けど、気持ち良い。身体の奥にこんなに感じる部分があるなんて、知らなかった)
アイザックの汗が滴り落ちる。
リアンはむしゃぶりつくようにキスをした。
アイザックも喜んでそれに応える。
「愛してる、リアン。もう離さない」
「俺も、愛してる。ずっと一緒だ……」
二人の想いが重なり、さらに深い快感へといざなわれる。
「もう、イきそうだ」
「俺も……一緒にイこう、アイザック」
「ああっ、リアン……もう……」
「――――う……あっ……ああん……イく、あぁああ―――!」
深い絶頂は長く尾を引き、繋がったところがいつまでもビクビクと震えていた。
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