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「待って!ひろくんーーーーー!!」
静かに眠りから目を覚ますと何故か涙がでていた。
ひどく懐かしい夢を見ていたようで一瞬自分がどこにいるのかわからなくなったが、すぐにここが自分の部屋だと気づいた。
久しぶりに弘樹の夢をみた。
昔のことを思い出していると少し感傷的な気分になった。
無性に子供の頃に戻りたいと思ってボーっとしていると「遅刻するわよ」と母に言われて、急いで学校に行く準備をして家を出た。
高校3年生にもなって子供の頃に戻りたいなんて、ただの現実逃避だよなぁと思いながら学校に着くとちょうど夢に出てきた人が目の前にいた。
(あっ弘樹だ・・)
おはようと挨拶しようか迷っていると弘樹もこっちに気づいて何か言いかけたように見えたが思い直したのか、結局何も言わずさっさと行ってしまった。
(あー。また話しかけられなかった。周りに人がいなかったからチャンスだったのに・・。)
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