彼の秘密

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高校2年生の夏、私の学校に転校生がやってきた。 私は、前日徹夜して勉強したせいで今にも眠ってしまいそうな朝。 (今日、放課後部活があるんだった。行くのめんどくさいなー) 授業のチャイムがなっても机に突っ伏して瞼を閉じた時、先生がまだ騒がしい教室に入ってきた。 「皆んな静かに席ついてください。」 クラスメイトが、席に着く。 「今日から新しいクラスメイトを紹介します。入ってきなさい」 ドアが開いて皆んなが注目する中で、私は机に突っ伏したまま顔だけ上げてドアに目を遣った。 転校生は、男の子だった。すらっと背がたくて、髪が栗色、肌が白くて、初めて見た時、ハーフだと勘違いするぐらい綺麗な顔だった。 「東京からきました。斉藤裕です。よろしくお願いします」 くしゃっと笑った笑顔に目が離せなかった。 「今日からクラスメイトになる 斎藤佑くんだ。最近引っ越して来たばっかで分からないことが多いと思うから皆んな優しく教えてあげて下さい」 「「はーい」」 先生に指定された席に転校生の斎藤佑は、歩いてくる。 私の隣の席に。 「よろしく」私は、いつの間にか背筋が伸ばして彼に挨拶をしていた。 「よろしくね」彼は笑った。    それから、彼との楽しい学校生活が始まった。
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