俺に必要な食べ物 

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 おなかが空いた。  おなかが空いた。  三食ちゃんと食べているのにおなかが空いた。  朝は野菜ジュースとトーストした食パンを食べている。バターを塗った食パンの上にチーズを乗せたり、ハムを乗せたりして焼いたものだ。  昼は会社近くのコンビニで弁当と飲み物を買って会社で食べている。  夜は同僚と食べに行ったりすることもあるが、大抵は自炊する。  帰りにスーパーによってSNSに上げられている時短レシピを見ながら材料を買い、作る。いろんな人がいろんな料理を上げているので便利だ。  もちろん三食ちゃんと食べられない日もある。  仕事が忙しくて昼食を食べられない日もあるし、休日に昼過ぎに起きることもある。そんな時はちゃんと三食ちゃんと食べているとは言えないが、これくらいは誰にでもあることだと思う。  食べているのになぜだろうと考えていた時……。 「お兄さん、おなか空いてるでしょ」  変な女の子に声をかけられた。  これが長年経験を積んだ医師とかなら俺の皮膚の色艶や全体の様子を見て空腹を分かったりするかもしれないが、目の前にいるのは俺より年下の二十代前半に見える女の子だ。  無視して通り過ぎようとする俺にさらに声をかけてくる。 「必要なモノ食べてないからおなかが空いているんだよ。私はお兄さんが必要なモノ、分かるよ」  最近、行方不明者の情報が多くなったと感じるのは、俺にやましい気持ちがあるからだろうか。
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