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もみの木の章 風の目覚め
『思い出してきたぞ、お前らシスの子だな、安心しろ婆さんは食わん、私はお前達と触れている間だけ私の意思で話すことができる、だから爺さんそんなにしっぽを引っ張るな』
『あっすまん』
「これでよいか……そうか触れてないと話せないんじゃったな。ほれ」
『これでどうじゃ?風太郎』
『ああそれでかまわぬが、私の名前は風ノ不死狼ダークガルム、この子はもみの木の生まれ変わりのようだな。この子のお陰で少し光が見えるようになった』
『確かに風太郎の眼の曇りが少し取れてる気がするわい』
『そうか、まさに奇跡だな……ありがとう。礼を言う。ところでお前、名前は何て言うのだ?』
『我輩は生まれたてである、名前はまだない、いえありません』
『ハッハァー、面白いやつだ。私にはタメ口で構わんぞ、さてこの子の名前どうするんだ?』
『どうしましょうかねーじいさん』
『うーむ……どうするか……ひらめいた!光から産まれた奇跡の子、その名も……ピカ太郎じゃ!どうじゃ婆さんいい名じゃろう?』
『じいさん、ばあさん一旦手を離して』
『全力で拒否します!』
『私も同意だ!よし手をつけてもらおう』
『いい名前ですねー、私も考えたんですが、あの奇跡の光にちなんで……光の一つ、ルクス…は、いかがです?』
『ルクスかずいぶん軽い感じの名前じゃが婆さんが言うならそうしよか、ルクス』
「ルクス、今日からお前さんの名はルクスじゃ!」
声を張り上げて嬉しそうに爺さんが俺を抱え天井に向かって持ち上げてから、狼のところに戻された。
『ルクスか、よい名前だ。おいルクス、これから私の目の治療頼めるか?』
『もう魔力切れで使えないんだが』
『そうか、なら明日もかけてもらうか』
『魔力って寝れば回復するのか』
『おそらく、明日には回復してるだろう。私の目が治るまでここにいるか』
『それは……しばらくここにいるってことか?拒否いえ!やらしてもらいます!』
『ハァッハァッハァー!面白いやつだ』
『おお、これでこの子の暖はなんとかなりそうですねぇー、あとは乳をどうするか、風太郎なにかいい知恵はないかい?』
『ん?乳か?私が寝ている時なら勝手に吸っていいぞ、それに私の名は風ノ不死狼ダークガルム、そんな男みたいな名前はとうに捨てた。可憐な乙ガルちゃんよ』
「「「……」」」
『『『えぇぇぇぇ!!』』』
メスだったのか!!
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