プロローグ

1/1
前へ
/6ページ
次へ

プロローグ

 その日、ビアンカは、朝日を見ていた。  目からはひとしずく、涙が流れ落ちた。  彼女の赤毛は朝日の光を浴びて見事に輝く。  彼女の薄い唇は、ただ一言、こう言葉を紡いだ。 「ルーセント……」  それは、彼女がただ一人、愛した男の名だった。  ただ、彼女は、彼と二度と会うことはない。  ……はずだった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加