3人が本棚に入れています
本棚に追加
居候
「おかえり〜ヒロト。ご飯あるよ」
2DKの居間のコタツにあたりながら、ナツキはにこやかにそう言う。
残業して疲れて帰ってきたボクには、温かい食事が何よりもありがたい。
だけどさ……。
「あ。うん。ありがとう」
「ヒロトのママから沢山野菜届くから、ガンガン消費しないとね」
「……うん」
「デカいキャベツが来たから、ロールキャベツにしたよ。お好み焼きの方がよかったかな? でもあれは二人で一緒に食べたいじゃん? だからロールキャベツにしちゃった。いい?」
……いいも悪いもないよ。だってもう作ってあるし。
お笑い番組を見ていた彼女はそれを中断し、ねぎと油揚げの味噌汁と、ロールキャベツと、ひじきの煮物(昨日の残り)を温めご飯をよそい、あっという間に食卓を整えてくれる。
「……いただきます」
「はーい。どうぞ」
ニコニコと目の前に座る彼女を、見るともなしに眺める。
当たり前だけど、肌にハリがある。
何度も寝た身体も、弾むような弾力があった。
当たり前だよな……。だってこの子はまだ、十八の高校生なんだから……。
最初のコメントを投稿しよう!