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邂逅
自他ともに認める冴えないサラリーマンのボクが、何故かなり美少女気味のナツキと暮らしてるのか……。
信じられないことに、駅前でブレザーの制服姿の彼女に、逆ナンされたからだ。
あの日、家出して行く所がない、と目の前でシクシク泣くこの子を放り出す訳にもいかず、とりあえずと近くの牛丼屋でご飯を食べさせた。
「……これ食べたら、帰りなよ?」
「帰れないんです」
「……ボクが送るから。君の家は知らないけどさ。親御さんが心配してるよ?」
「……心配してくれる様な親なら、家出なんかしないっす」
……確かにそれは、一理あるかも……。
ボクには都会で一人暮らしの息子に、鬱陶しい程に色んなものを送り付けてくる両親しかいない。
それじゃ、この子の気持ちは分からないよな……。
「……でも」
「友達の家に泊まるって言ってあるから……今日だけでいいんです」
……よく見たら、この子かなり可愛いぞ。
モテないボクが、現役のJKにこんな上目遣いをされたら、即落ちしても仕方なくない?
そんな具合に意志薄弱なアラサー男のアパートに、ナツキはすっかり居着いてしまった。
二人で暮らしてもう一月は経つのに、彼女の親に怒鳴り込まれたりはしてない。
うちに居る条件として、必ず学校に行くことを課してるせいかもだけど……。
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