契約者……1

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父親が散らかしたゴミを拾って、ゴミ袋に入れながら話す。 「うるせぇ! 片付けてんじゃねぇよ!」 そう言って投げ捨てた黒葉の頭に空き缶が当たる。 「…そんなんだから出ていくんだろ」 「ああ?何だ、はっきり言え!」 唇を噛み締め、握り拳を作って振り返る。 「そんなんだから、姉貴もお袋も出ていくんだろ!」 「んだと、糞ガキが!」 立ち上がった父親は黒葉の髪を掴んで振り払う。 ガシャーン! バタバタ、ドーン……と激しい音がして倒れる。 「俺はなガキなんか要らなかったんだ。 それをあの女(母親)が作りやがるから」 子供にとって、それは親が口にしてはならない言葉。 子供の存在を否定する、残酷な言葉……。 「文句があるならお前も出てけば良いだろ!? 鬱陶しいんだよ……チッ」 残酷な言葉……親として有り得ない態度、そして舌打ち……。 「……そう…分かった……もう良い……」 「分かったんなら──」 振り返った父親は黒葉が黒薔薇を手にしていて、黒いリボンを解いていた……。 黒い薔薇はぐニャりと形を変え、球体関節人形に変わる。 「哀れな人間…罪深き犯罪者……。 人を痛め付け貶めて…罪に溺れし、哀れな魂……。 罪を背負って煉獄の炎に身を委ね、罪を悔い改めよ……。 貴方の魂……頂きます……」
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