契約者……1

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救急車が走り去り、ふわりと、黒葉の目の前に球体関節人形が現れる。 「貴方の願い……『父親を殺して欲しい』と言う願い……叶えたわ」 それだけ言うと、黒い靄となって球体関節人形は消えてしまう。 「……夢じゃない……都市伝説でもない。 本当に……現実なんだ…! ずっと願っていた『父親の死』……叶ったんだ」 ずっと願っていただけ『思い』をずっと都市伝説だと思っていたサイトが叶えてくれた。 ……そう、現実を受け入れた時、黒葉は突然笑い出した。 「あはは!あはは! 死んだ!死んだんだ! ずっと願っていた、死んで欲しいと願った父親が……死んだ! あはは!ははは!」 頭を潰されては、病院に運ばれたとしても、助からないだろう。 しかも身元を裏付ける証拠品もない。 顔が判別出来ず、身元を証明するものも無い。 父親が死は確実だろう。 ──翌朝、いつもの様にコンビニのバックヤードで着替えていると、ニュースが報道している。 「昨日午後12時頃、身元不明の遺体が病院に搬送されましたが……死亡が確認されました。 警察は事故と事件の両方から──」 「ありがとうございます……La vie en rose……」
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