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救急車が走り去り、ふわりと、黒葉の目の前に球体関節人形が現れる。
「貴方の願い……『父親を殺して欲しい』と言う願い……叶えたわ」
それだけ言うと、黒い靄となって球体関節人形は消えてしまう。
「……夢じゃない……都市伝説でもない。
本当に……現実なんだ…!
ずっと願っていた『父親の死』……叶ったんだ」
ずっと願っていただけ『思い』をずっと都市伝説だと思っていたサイトが叶えてくれた。
……そう、現実を受け入れた時、黒葉は突然笑い出した。
「あはは!あはは!
死んだ!死んだんだ!
ずっと願っていた、死んで欲しいと願った父親が……死んだ!
あはは!ははは!」
頭を潰されては、病院に運ばれたとしても、助からないだろう。
しかも身元を裏付ける証拠品もない。
顔が判別出来ず、身元を証明するものも無い。
父親が死は確実だろう。
──翌朝、いつもの様にコンビニのバックヤードで着替えていると、ニュースが報道している。
「昨日午後12時頃、身元不明の遺体が病院に搬送されましたが……死亡が確認されました。
警察は事故と事件の両方から──」
「ありがとうございます……La vie en rose……」
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