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「何よ、元気なんじゃない」
「あったまって来たか?」
にこにこと笑う二人を見て、今度は涙が溢れて来た。
「笑ったり泣いたり忙しい人ね」
「出せるものは出しとけ」
二人のおかげで、私はやっと呼吸がしやすくなったみたいだ。
「仕上げに恋のフェアリーがいれば良いんだけどねえ」
「恋のフェアリー?」
妖精までいるなんて、日本式ダンジョンは随分と国際的だ。
「おい、都合よく妄想を膨らませない方が良いぞ」
鬼女が私の肩を突く。
「あれは、不気味なんてもんじゃないぞ」
鬼女が大きな口をへの字にして言った。よっぽど恐ろしい姿をしているのだろう。
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