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「来る時、あの子の靴をしまったでしょ?」
「え?」
「私の妹と勘違いしてた子よ」
「ああ!」
思い返せば、少女の口調は子狸と同じくちょっと生意気だった。
「カプリさんの口真似してるんだ。可愛い所ある」
苧うにが、ふっと笑った。流石にそれには、カプリもぐうの音が出ない様だ。
「言っとくけど、アンタよりずーっと長く生きているんだからね」
「分かりました。見た目に騙されるなって事ですね。肝に銘じます」
「よろしい」
カプリが満足げに頷いた瞬間、泡が目に入ったと子狸が騒ぎ出し、周りの妖怪達が孫でもあやすみたいに世話を焼き始めた。
「ーー例外もあるってもんよ」
「ちっとも、締まらんな」
苧うにがぽつりと言った。
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