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【今、闘いの真っ只中にいるあなたへ・・・ あなたのご主人への「愛情」は徐々に薄れていると思います。もしかしたらもう既に「愛情」なんてこれっぽっちもないと思っている方もいるかもしれません。 そんなあなたでも、夫に対する「情」は、大なり小なり残っているのではないでしょうか? これまでの結婚生活で、二人は夫婦として様々な事を乗り越えてきました。 良い事も悪い事も、全てを受け止め一緒に前へ進んで来たのです。 その過程で、二人は強い「情」という絆で結びつきました。 しかし、その「情」は、今のあなたにとってはただの足枷でしかありません。 一度嘘をついた男は、何度でも嘘をつきます。 一度不誠実な事をした男は、何度も同じことを繰り返します。 不倫をする男は、大抵女を下に見ています。 そして常に自分の事しか考えていません。 そう...あなたの夫も不倫相手と一緒なのです。 常に自分が一番可愛いのです。 そんな男が、他人を幸せに出来るのでしょうか? もし出来ていたなら、なぜあなたは今こんなに苦しまなくてはいけないのですか? 大丈夫! あなたは一人で生きて行けるはずです!  なぜなら、あなたは今この闘いにたった一人で立ち向かっている強い女性なのですから!】 凪子の頬には涙が伝っていた。 もう自分達はやり直せないところまできている。 その現実を、凪子は今直視したのだった。 凪子は指で涙を拭うと、窓の外の夜空を見上げる。 そこには、傷ついた凪子を慰めるような美しい半月が ぽっかりと浮かんでいた。
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