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「さっすが次期課長! こんなのスパーンと買っちゃうんだもの! 凪子愛され過ぎだよぉ~! 朝倉さんは絶対浮気なんてしないねっ!」
麻美はそう言ってケラケラと笑う。
「でもさぁ、困る事もあるのよぉ。最近家にいるとしょっちゅうくっついて来るし、なんか大きな赤ちゃんが家にいるみたいよ!」
凪子はそう言って苦笑いをする。
ごく自然に演技出来ているなと自分でも感心する。
「はいはいご馳走様! ワンコ夫を大切にしなさいよ! じゃないと罰が当たるわ! まったくもぉ~!」
麻美はまたシッシッと手を振って凪子を追い払うふりをした。
その仕草がおかしくて凪子は思わず声を出して笑う。
「違う違うそんな話をしに来たんじゃないのよ! サンプル表を貸してもらおうと思って...!」
「あ、ごめんごめん、こっちでずっと使っちゃってたわ!」
麻美はそう言うと、凪子へサンプル表の束を渡す。
「サンキュー! じゃあね!」
凪子は笑顔でその場を後にした。
今回はすぐ絵里奈の方を見ずに、
しばらく歩いてからさりげなくチェックした。
すると、絵里奈は気分を害したという表情で、廊下の方へ出て行く所だった。
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