13

3/10

6930人が本棚に入れています
本棚に追加
/287ページ
「さっすが次期課長! こんなのスパーンと買っちゃうんだもの! 凪子愛され過ぎだよぉ~! 朝倉さんは絶対浮気なんてしないねっ!」 麻美はそう言ってケラケラと笑う。 「でもさぁ、困る事もあるのよぉ。最近家にいるとしょっちゅうくっついて来るし、なんか大きな赤ちゃんが家にいるみたいよ!」 凪子はそう言って苦笑いをする。 ごく自然に演技出来ているなと自分でも感心する。 「はいはいご馳走様! ワンコ夫を大切にしなさいよ! じゃないと罰が当たるわ! まったくもぉ~!」 麻美はまたシッシッと手を振って凪子を追い払うふりをした。 その仕草がおかしくて凪子は思わず声を出して笑う。 「違う違うそんな話をしに来たんじゃないのよ! サンプル表を貸してもらおうと思って...!」 「あ、ごめんごめん、こっちでずっと使っちゃってたわ!」 麻美はそう言うと、凪子へサンプル表の束を渡す。 「サンキュー! じゃあね!」 凪子は笑顔でその場を後にした。 今回はすぐ絵里奈の方を見ずに、 しばらく歩いてからさりげなくチェックした。 すると、絵里奈は気分を害したという表情で、廊下の方へ出て行く所だった。
/287ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6930人が本棚に入れています
本棚に追加