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午前中の作戦を完璧にこなすと、 凪子はすぐに午後の作戦に備える。 今日は、夫と絵里奈が資料室で密会をするはずだ。 なんとかその様子を録音出来ないかと、 凪子はボイスレコーダーを持って来ていた。 レコーダーの録音時間は最大10時間なので、 凪子はランチを終えるとすぐに資料室へ向かい、 目立たない棚の高い位置へレコーダーを設置した。 そして何事もなかったかのように資料室を出る。 14時からは、凪子のチームの会議が始まるので、 いったん気持ちを切り替えて会議に集中する。 こんな時だからこそかえって忙しくて良かったのかもしれない。 もし時間が空いていたら、 怒りのあまり資料室へ乗り込んでいたかもしれないからだ。 凪子は改めて打ち込む仕事がある事に感謝していた。 その頃、資料室では良輔と絵里奈が密会していた。 二人は会うなり、資料室の一番奥にある机の前で 抱き合ってキスをしていた。 凪子が仕掛けたボイスレコーダーは、 ちょうどすぐ傍の棚の上にあった。 二人は絡みつくように抱き合うと、激しいキスを繰り返す。 最近は絵里奈に対し消極的だった良輔が、今日はいつになく激しい。 土日に凪子を抱けなかったので、性欲が溜まっているせいだ。 良輔は本当は妻の凪子を抱きたかったのだ。 あの土曜日のような激しい夜を、妻の凪子と過ごしたかったのだ。 しかしそれは叶わなかった。 ならば、愛人にその性欲をぶつけるしかない。 良輔は慌ただしく絵里奈のブラウスのボタンを外すと、 ブラジャーのホックも外し、すぐに絵里奈の胸をまさぐり始めた。
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