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月の光が私達を照らす。
貴方は粋に杯を傾ける。私は働いていた蕎麦屋にお客様で来たときから一目惚れした。歌舞伎役者の様な綺麗な顔をして気っ風がいい、男気が香る。
着物をまくり上げた時のたくましい二の腕。 そりゃ私はぞっこんさ。
夜桜は風に吹かれて、花びらがはらはらと舞う。私は貴方の為に三味線を弾く。貴方はじっと聞き惚れている。
貴方に見つめられると今でも心の臓が高鳴る。私は死んでもあなたが好き。
地獄の底までついて行く。
「今日もお前は綺麗だね。
月の光がより一層お前を妖艶に見せる。」
私は頬が紅潮するのがわかった。
「ハッハハ」
彼の髑髏(しゃりこうべ)が笑う。
二人は永遠に新月の光に照らされる。風でまた桜花が降りそそぐ。
2つの髑髏が微笑む。
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