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ダークネスギルディア
まさか正義の味方のジャスティスピンクの常連客が悪の秘密結社の大幹部だとは言えない。
なおもピーチは文句をつけた。
「それも誰が決めたのか、正義の味方って慈善事業で完全にボランティアなのよ」
「え、ボランティア?」
「そう、危険手当てもなくって。保障もないの。どんなに遅くっても時間外手当てもないし。もちろん休日手当てもないのよ。今どきそんな職業って信じられるゥ?」
桃田ピーチは、おどけたように肩をすくめた。
「そりゃァまァねえェ……。正義の味方はサービス業じゃないからな」
「でも超ブラック職業なのよ。正義の味方って、さァ」
唇を尖らせて文句をつけた。
「超ブラック職業……!?」
「そうよ。日曜休日もお構いなし。こっちがせっかく休みの日にデートを楽しんでいようとギルディアの怪人は遠慮なく、ところ構わず暴れ回って悪さをするのよ。少しは正義の味方の事情も考えて欲しいわ」
ピーチはプンプン怒って吐き捨てた。
「いやァそれは悪かったな」
大幹部は素直に謝った。
「えッ、どうしてダーリンが謝るの?」
「え、いやァそうだね。オレも昔、ギルディアの怪人に襲われてさァ。正義の味方に助けてもらったことがあるから」
大幹部もなんとか苦笑して誤魔化した。
「へェ、マジでェ?」
「ああァ、あの時はマジで助かったよ」
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