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「皆ー!今日は楽しかったかなー?クーポンをゲットした人もクイズやゲームを楽しんだ人も、美味しいケーキを食べたくなったら又来てねー」
山村が締めの挨拶をして、エイプリル・フールイベント企画は無事に終了した。
「たまには、こういうのも悪くないわね。童心に返ったみたい。楽しかったわ」
結局、征矢達は逃げた後だった。
それでも一応、警察に連絡し、事情聴取を受けて帰って来た頃には、もう夜もスッカリ更けていた。
色々、遺恨は有るが、香澄と鈴木、山村の3人はイベント部屋の片付け。
そして俺はケーキ用具や客が使った皿やフォークなどの洗い物を終えて、4人でイベント成功の祝勝会をすることにした。
「僕も楽しかったー!キーボードは弾けなかったけど、司会も結構、楽しかったよう!」
山村も満足気だ。
「僕も楽しかったですよ。今度また、こういったイベントを開催するのも良いかもしれませんね」
クイズで大活躍した鈴木も眼鏡の奥の瞳は穏やかだ。
「何、俺達4人が揃えば出来ねー事は、ねーって事さ」
俺はそう言いながら、これからのケーキの売れ行きに期待を持つと共に、忙しくなるであろう予感がしていた。
こうしてケーキ屋モサコは人気店として第1歩を踏み出したのである。
完
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