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俺は心底、驚いた。
香澄は俺みたいな、爪弾きモンにはビビッても好いてくれるとは思わなかったからだ。
「…良いのか?俺とあんたじゃ住む世界が違い過ぎる。俺なんかと付き合ってたら、危険な目にも遭うかもしれねーぜ」
「大丈夫よ。千夜くん以外の男子は考えられないもの。何があっても私の心は変わらないわ」
「香澄…火傷しても知らねーぞ」
その時、下校時刻を報せるチャイムが鳴った。
俺と香澄は、それぞれの寮の別れ道まで2人で帰ることにした。
「千夜〜、最近、付き合い悪いじゃねえかよお。又、清良学園の野郎共に一泡吹かせてやろうぜえ」
不良仲間達と居る時に、清良学園の不良達との喧嘩を持ち出してきたのは、1番仲が良かった征矢(そや)だった。
「悪い。俺、あんた等のグループ抜ける。喧嘩なら俺抜きで勝手にやってくれ」
「おい!待てよ、千夜!」
征矢達は口々に俺を引き止めようとしたが、俺はシカトするとバイクに跨り、その場を去った。
だが、その頃から不良仲間達からと思われる嫌がらせ行為が出てきた。
愛車のバイクをパンクさせられていたり、靴を川に投げ捨てられていたり、やった覚えのない窓が割られていた犯人にさせられたり。
その度に鈴木と山村が助けてくれたが…。
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