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俺だけなら、まだ我慢出来た。
だが、連中が香澄の下駄箱にヘビを入れたり、制服に生卵をぶつけたり、教科書とノートを切り刻んだり。
連中は、俺にするよりも直接的な方法で、香澄にまで手を出してきやがった。
明奈からその話を聞いた俺は単身、征矢等が屯してる場所まで出向いた。
「およ?千夜〜、戻ってくる気になったのかあ?今なら土下座すれば許してやるぜえ!」
「それはコッチの台詞だ。俺だけなら、まだ良い。ムカつくけどな。だが、香澄にまで手を出しやがった、あんた等は…!」
俺は近くに居てニヤニヤ笑っていた、かつての仲間の1人を殴り飛ばした。
「ただじゃおかねー!」
「テメェ!嘗めた真似してんなよ!」
一斉に襲い掛かって来る征矢等。
応戦した俺は何とか撃退したものの、流石に無傷とはいかなかった。
「千夜くん!!」
ボロボロになって、血を流しながら、フラフラと寮の近くにまで戻ってきた俺の元に、香澄が駆け寄って来た。
その無事な姿を目にした俺は、安心して足元から頽れた。
「香澄…もうじき、門限になるぞ…」
「それどころじゃないわ!明奈から千夜くんが不良のお友達の所へ行ったって聞いて…。戦うこと好きみたいだけど、無理しないで…」
俺の頭を自分の膝の上に乗せた香澄の目から涙がこぼれ落ちる。
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