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俺は喧嘩には勝った。
だが、服は汚れ、髪もボサボサ。
パーティーに行く気が失せた俺は、文句を言う山村を置いて、帰った事もある。
〜その時の詳細エピソード〜
「また遊びに行くんですか?」
寮の自室で身支度をしている俺に、咎めるように鈴木が訊いてきた。
「ああ。今夜のパーティーは、良い女揃いだっていうからな。ここは山村あたりを誘って連れて行こうかと思ってよ」
「女性は男性を縛るものです。束縛されて困るのは、千夜くん、貴方ですよ」
俺は、鈴木の至近距離まで迫ると、奴の掛けていた眼鏡をクイッと両手で下げた。
端正な切れ長の瞳を至近距離で睨みつける。
「猫としか、まともに付き合えねーあんたに言われる筋合いはねー。この堅物野郎!」
俺は言いたいことだけ言うと、鈴木の眼鏡を離して部屋を出て行った。
鈴木とも、山村とも違う俺の恋愛の価値観…。
「保ー!待ってよう!歩くの速いー!」
後ろから山村の声が聞こえるが、俺は構わず通りをズンズン歩く。
ちと近道していくか。
そう思った俺は、路地裏に入った。
山村も慌ててついてくる。
と…。
「おい、お前。心誠学園の千夜じゃねえかよ」
他校の不良集団と、運悪く遭遇した。
「あ?今、あんた等の相手をしている場合じゃねーんだよ。そこを退け」
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