千夜くんの過去

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「そういうわけにはいかねえなあ!お前には、随分と借りがあるからなあ!」 「保ー…」 後ろから山村が怯えた声色で言う。 「山村、下がっていろ」 山村が俺から離れると、不良集団は俺をグルリと取り囲んだ。 「見たところ、お前、1人じゃねえかよ。こりゃ可愛がり甲斐も、有るってもんだぜえ!」 一斉に襲い掛かって来る不良集団。 「オラァ!」 応戦を余儀無くされた俺は、まとめて相手にしてやった。 今回も、俺は喧嘩に勝った。 だが、服はボロボロに汚れて、髪はボサボサになっちまった。 「止めだ、止め!こんな格好でパーティーなんざに行けっか!」 「何言っているんだよう!パーティーに誘ったのは、保の方じゃないかあ!」 「んなこと知るか!行きたきゃ、山村1人で行け!」 俺は山村を置いてきぼりにすっと、むしゃくしゃしたまま、ディスコに向かった。 ネオンの明かりが赤と青の光を放って、DJの鳴らす音楽が場を盛り上げている。 俺は踊っている連中の合間を歩いていたら、1人の女にぶつかった。 「いてっ?!何するんだよ?」 口調は野郎みてーだが、声と見た目は明らかに女だ。 年齢は俺と同じ高校生くらいか? ちと?気が強そうだが、なかなかの美人だ。 だが、気が立っていた俺は、その言葉にイラッときた。
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