古流剣術家『鎖碧』

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 ついに、素振りです。  まず今回は、これまでの総合だと思ってください。  剣を正しく持ち、姿勢も良くして、中段に構えます。  まぁー細かい事は良いですので上段の構えを取ってください。  上段は天井を突き刺すイメージです。  で、ここからが重要。  まず、剣先を真上から落とすのですが、絶対に腕の力では無く、刀の重みだけで自由落下してるのだと理解してください。  剣を地面に叩き付けても構いません。それだけ腕の力を抜いてください。  あ、木刀が折れるのが怖かったら竹刀(しない)がオススメですし、外でやった方が良いです。  で、次に意識の置き場所は切先三寸、切先から約10cmの「物打(ものう)ち」と呼ばれる部分で、相手の百会(ひゃくえ)と呼ばれるツボを真っ二つにしてください。  百会は正中線と両耳のラインが交差するツボです。  これが素振りにおける面打ちです。  手打ち剣だと、絶対に物打ちで百会を斬る事はできません。  手打ち剣だと、剣が相手の顔面に当たるだけで斬れません。  必ず百会を斬ってください。  ……なんかさっきから斬れ斬れと物騒な事を言ってますが、本当に人を斬る必要は無いです。  あくまでも意識の問題です。  で、この素振りを千本やって、それで手に血豆ができたら間違った剣の使い方をしてます。  あるいは、腕の筋肉が筋肉痛になったり、肘が腱鞘炎(けんしょうえん)になるのも間違ってます。  とか、なんか偉そうに講釈を垂れてますが、これはタイ捨流の素振りです。  他の流派は知らないし興味もないですが、タイ捨流だけは素振りで地面まで木刀を叩きつける素振りをするので、体育館を借りてタイ捨流の素振りをすると床が穴だらけになるので、体育館の人達から嫌われるらしいです。  僕は、普段は畳の上でやってるので穴だらけにはならないですが……正直な話、本気で強くなりたければ、こんな文章読まずに道場に行って学んだ方が得ですし習得も早いです。  それでも「リアルで戦うのが怖いよ、うえーん」と、言う人達向けに、本当に雑学として文章書いてるだけなので。  いや、戦うのが怖いのを悪く言う必要は無いし、それが正常な思考だと思います。  でもまぁ、こんな雑学でも知ってるだけで緊急時に役に立つかもしれませんし、将来何の役に立つのか分からない知識が、自分を救い、周囲の人間を救う力になりますので、学ぶ事自体は悪では無いと、僕は思ってます。  いきなり素振り千本が辛いなら、まぁ最初は十本だけで良いじゃ無いですかね?  次回は、刀の豆知識を教えます。  これ意外と皆さん勘違いしてますが、刀はどこに当てても斬れるわけではありません。  刀には九つの部位があり、それぞれ使い方が違います。  うーん、すっごいザックリと九つの部位の紹介をしますね〜
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