恋愛って・・・

1/1
前へ
/15ページ
次へ

恋愛って・・・

 当時、私には恋を応援していた人が何人かいました。  Aもその一人で、彼女の好きな人は、他の、応援していた子とかぶっていましたが、私はどちらも応援していました。  そんなある日。  帰り道は、普段、他の応援している子の嬉しい近況報告について話し、割と盛り上がっていたと思います。  もう両思いだろ、と周囲から意見される事も多い、とある美男美女のペアについてでした。  特に男子の方は、モテてました。私が知る限り、彼を好きな人は七、八人いたと思います。  で、話していたのですが。  Aが突然、 「私の好きな人分かる?」と。  え?〇〇じゃないの?と思い、その名を言いました。  ですが彼女から返ってきたのは・・・ 「私、本当は好きな人違うよ?」  ・・・はい? 私「じゃあ、本当は誰なの?」 A「☓☓君(モテ男子)」  ・・・はい?  え、なんで嘘ついたの?  私すっごく無神経な人みたいになってるじゃん。  どっちみちかぶっているけど、私はどっちも応援するよ?(本心)  そんな事を思っていると、Aの態度が急変。  泣き始めました。 「気が付かなかったの?」  気付くか!  私はエスパーじゃないんだよ! 「なんで〇〇ちゃん(モテ男子のお相手)は応援して、私のことは応援してくれないの?」  えええ~?(ツッコむこと多過ぎ)    私は、Aが〇〇君を好きだと言っていた時、他の子とかぶっていることをAも分かっていたけど、私はどちらも応援していました。それをAも知っているはずなのに・・・  今思えば、Aの言っていることが無茶苦茶なのはそうですが、Aが好きな人を偽ったことで、その相手を本当に好きな子が、持たないはずの悩みを持つ事になってしまった、という事にも着目すべきでした。  実際、その子は「学級委員」がライバルになることを知って、かなり自信を無くしていました。  私はもちろん、Aに応援してほしいと言われた以上、早い者勝ちとか無く、どちらも応援していました。  なのに、それが嘘とか・・・そしてこの言われようは一体・・・  確かに、Aは☓☓君の話をよくしていました。  でも、高学年になって、Aは流行りものに興味を持つようになっていた(私は全く話に追いつけなかったが)ので、☓☓君の事を話すのも、ミーハーなだけだと思っていました。  それに、私には、Aが「好きだ」と言った人が、Aの好きな人の全てです。実は違うとか、本命がいるとか、「察してよ」に対応なんかできません。 「ねえ、なんで?」  私はもう、わけが分からなくなって、よくわからない事を言ってしまいました。  Aの反応は、「は?」という感じでした。  は?はこっちだ。  当時、本を貸し借りし合っていましたが、Aはその場で 「もう貸してくれなくていい」と私に本を返しました。  そして、泣きながら、目の前の自宅に帰りました。  残された私は、まだ遠い自宅まで(Aと帰るために遠回りしていた)一人帰りました(多分)。    翌朝だったと思います。  学校に行くと、私の机にレポート用紙のような紙が置かれていました。  Aが置いたものらしいのは分かっていましたが、あえて無視。  最初にその中身を読んだのは、私にたまたま話しかけに来た友人です。 友人「なにこれー?」 私「さあ?」 友人「見てもいい?」 私「どうぞ」    すると、Aがやって来て・・・ 「他の人に見せないでよー」  普通に話しかけてきました。  笑いながら。  ちなみにその手紙は、一応謝罪文のようでしたが、ひどい内容だった(と、内心怒った記憶がある)ので捨てました。    手紙でも、謝ったんだからオッケー、とでも思ったものか、普通にその日から話しかけてきました。 「あ、やっぱりまた本貸してー?」  うん、言うと思ってた。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加