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結構嬉しかった
☓☓君が好きだと判明したA。
表彰朝礼があった日の事です。
偶然、☓☓君とAも表彰されました。
そして教室へ戻る途中。
Aがおかしなことを言い出しました。
「私、表彰されて並んでた時、☓☓君と肩くっついたんだ」
へえ。
「羨ましいでしょ?」
へ?
私が理解に苦しむ中、勝手に騒ぎだす女子たち。
「えー!ゾーイって・・・!」
「そうなのー!?」
「違うし」(聞く耳持たないだろうけど一応言っておく私。)
ちなみに私は、他の女子たちにも☓☓君か誰かを「好きなのー?」とからかわれた事があります。
正直、女子の怖さは思い知っています。そして、自分の学年の男子が良い人ばっかりな事に気が付きました。
普通に
「好きだよ」と言うと、その女子たちはきゃあきゃあしました。
好きなの?って聞かれたら、必ず恋愛対象として聞かれている、なんて考えを、私は持っていません。
なんで勝手に騒いでるんだろう、と思い、(そして読書時間を邪魔するなと思い、)私は
「じゃあ逆に嫌いな理由ってあるの?」
と聞きました。
し~んとしましたw
沈黙していれば、
「言わないってことはー?(ニヤニヤ)」。
違うと言えば、
「本当にー?」。
だからといって好きじゃないと言えば、
「えー、そんな事言うのー?可哀想だよー!」(こういうときだけ、恋愛感情として聞いている、という当たり前は消え去る)。
本当に、面倒くさいし苦手でした。
それ以来、私はクラスでそういうからかいを受けることが無くなりました。
そして、嬉しかった事。
ご存知の通り、私はAと本を貸し借りしていました。
元々、本を返してもらうのは、家に持って帰って読んでもらった翌日の下校時でした。私が学校で貸して、帰りに、Aが家から自分が貸す本と、前に借りた本を持ってくる、という。
私が貸していたのは主に漫画だったので、なるべく学校には持っていきたくなかったのですが、そのために、私の家が先に着くルートで帰ろうと言うと、Aは「遠いから嫌だ」。
(Aの家は、漫画を買うことが禁止だった。そして私がAから借りていた本は、学校で読んでいても注意されない文庫本だった。)
なのでせめて、学校にいる間に返さない、という事は決めていました。流石にAも、わざわざ学校に本を持ってくるのは面倒だったようです。
ですがある日、学校で、さっき貸したばかりの本を、授業前に返してきました。
え?
「どうしたの?」
「もう読んだから」
はい!?
え?
学校だよ!?
読んだの!?
ていうか・・・
「学校で返さないでって言ったよね!?(小声)」
「えー、いいじゃん別に」
良くないから言ったんだよ!
なんのための約束だ!
まさか学校で読むなんて・・・
家で読んできた本を、次の日学校で返してくることは有り得そうだと思って事前に言っておいたのですが、まさか「学校では読まないでね」と言う必要もあったとは考えていませんでした。失敗失敗。
そしてそもそものルールを破るとは・・・
Aが去った後、一人ため息をつく私。
すると隣で、
「怒ってるの?」と声が。
実は当時、私は☓☓君と隣の席でした。(今考えると、Aは☓☓君と話すチャンスを狙ってあんな事をしたのか?)
しかも、☓☓君の後ろの席は、もともと応援していたお相手の〇〇ちゃん。席替えした時、少女漫画か、と思いました。(しかも後の席替えで、場所は全く同じで、今度は〇〇ちゃんと☓☓君が隣になって〇〇ちゃんの後ろが私になった)
「怒ってるの?」と、聞く☓☓君に、私が思わず「怒ってるよ!」と小声で言うと・・・
「ふ~ん」
?
「確かに。俺ああいうの嫌い」
完璧予想外の言葉、というのはこういうものなのでしょう。(最近は悪い意味で予想通りのことばかり言われていた。)
嬉しくてたまりませんでした。
誰もが褒め称えるAに対して、そんな事を言ってくれる人がいるなんて。
私は、この時は、まだ、Aに対してちょっと嫌な感情を持っている程度でした。
A中心の嫌がらせ、本番はこれからです。
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