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どうしても、100%相手が悪いって思えなかった。
いっそ、「死ね」とか分かりやすい事を言われれば、悪い方は一目瞭然です。
でも、言いません。やりません。
人によっては、「いいじゃん別に」と思うようなことしか。
そして私が不満を口にしても、その一言で「やっても良いこと」にしてしまいます。
でも、おかしいですよね。
いいじゃん別にっていうのは、言う側にとっては、「私は別にされても良い」って意味だと思います。
でも、その時何かをされているのは私です。人が拒否していることを、あの四人はやっている。
それだけで十分悪いのに、私は、その事に気が付きませんでした。
理不尽な事をされているはずなのに、からかわれたり、逆に怒られたりすると、自分が悪いんだと勝手に思ってしまいました。
だから、周囲にもっと助けを求めてよかったのに、私は出来ませんでした。
ある日、私は集会で体育館に移動するために並んでいました。すぐ隣にはA。
Aは、私のスカートを見て言いました。
「足長く見せようとしてるの?」
私もAも、身長が高い方でした。でも、私はそれが良いことだとは思いませんでした。
過去にも、黒板の高いところにある字を、ある子の代わりに消そうとして、「いいの?」と言われたので「私身長高いから」と言ったら苦笑いされました。
「自分で言うんだ」
背が高い事が「良い事」「自慢になる事」なんて、私は少しも思っていませんでした。
なんでそんな顔されるんだろう。
私は、そんなに悪い事を言ったのか、とずっと疑問でした。
だって、背が高いだけじゃどうしようもないです。
私は、四人が言うように、
「その髪型、似合わないって言ってたよ」
Aが言うように、
「ゾーイは地味な服が似合うよ」
本当に、大抵の物が似合いません。スカートなんて特に。
それに、私は側弯症です。ただでさえ身体の軸が曲がっているのに、背が高かったら目立ってしょうがない。
写真で、他の子より頭一つ出ている私は、さらに身体が一人だけ変に曲がっている。
Aに言われてから、私はたとえ休日でも、スカートを履けなくなりました。学校も、体育が無い日でも体操着で登校していました。
あれから数年経っているのに、私は学校の制服以外でスカートを履いたことがありません。
私服そのものも、外出の時以外は着ません。一年に一回も服を買いに行きません。(それ以前に店に入れなくなったので。)
まだまだ。
私が、おかしくなるまで。
おかしいという事に気がつくまで。
決定的な事が起こるまで。
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