お花見ぷれぜんつ

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お花見ぷれぜんつ

 プレゼン当日。  一つ目のプレゼンが終わって、オーナーが話していた。 「いやあ、悪くはないんだけどね。フルーツが何種類も実って、花も何種類も咲いて、実の時期と花の時期で二度楽しめるのは。ただわしが気になったのは、実りの時期がメインになってしまうことだよ。様々な花が咲いてて面白いと感じたが」  僕らはオーナーの私有地に集められていた。  その私有地にそれぞれの部署で花木を一本用意している。  どっしりと花を咲かせた木を用意できているのは、種から急成長させる技術があるからだ。  今回プレゼンにエントリーした部署は全部で四つ。  しかもなんと僕の部署が最後だった。 「愛音ちゃん、震えてますね? ふふふ、私も武者震いです。早く戦いたい!」 「ちゃんで呼ぶな、そして騒ぐな!」  一つ年上の琴子先輩は小柄でショートカットヘアの女性だ。  よく愛音さんをからかって、今みたいにバインダーで叩かれている。 「作太くんは人前に出るの初めてでは? もう、先輩の琴子に任せな!」 「琴子もないだろ。全く。あと一人はどこ行った?」 「啓介先輩はトイレだって言ってました」 「お腹壊したな。緊張と大食いか」  愛音さんは頭を掻く。 「大食いってなんですか?」 「それはね、啓介、イベント前日は気合入れてたくさん食べるから。それでお腹ってことね。使えるのは、私、愛音ちゃん、作太くんか。十分すぎる、特に琴子!」 「自己評価が高いものだ。高パフォーマンスに期待して、プレゼンをすべて任せるか」 「ええ、悪魔ああああ! いやだ! 私、怖いの嫌、私かわいいのに!」 「うるさい。琴子、だが元気なのは良いことだ。作太、私たちはまだまだ後だ。ちょっとはリラックスをしろ」 「分かってます。けど、オーナーの覇気を見ていたら」 「そうね、気合入ってる。ホテルの一大イベントだね、お花見」
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