3.

3/3
前へ
/13ページ
次へ
「遥香ちゃん」  おじさんに呼ばれて、意識が現在(いま)に戻る。彼の視線は私の左手薬指に注がれていた。歳頃になった娘の親友を気遣う、穏やかな保護者の目。アメリの父親は、小さな石の付いた華奢な指輪を見ながら、優しい声で言った。 「もう、忘れていいからね」
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

30人が本棚に入れています
本棚に追加