Prologue

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 それはまるで夜空に咲いた花。  一瞬で広がる光の輪と、少し遅れて届く音。  肩を寄せ合い、ふたりで見た打ち上げ花火。  きれいな横顔に、速まる鼓動。  ぶつかる視線と、鮮烈な気持ち。  二度と戻らない夏の夜。  きみは今にも泣き出しそうな顔をして。 「いつかまた、いっしょに花火を見ようね」   震える声で小指を差し出した。  交わした幼い約束と、重ねた手のあたたかさ。  この想いの正体が、恋と知った瞬間。  きみは覚えてるかな?  私は、ずっとずっと、忘れないよ――
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