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大人になったら死んでやろうか
成人式の日に友達と馬鹿騒ぎして、親に祝われて、皆が明日を見ている中で首を吊って死んでやろう
生きることに向いていない私は明日に価値を見いだせない。
大人になったら死んでやろう
毎日、起きて、仕事に行って、同僚と談笑して、飯を食べて、友達とオンラインゲームでもして眠る。
休みには友達と遊びに行って欲しいものを買って、居酒屋にでも行って、酒を飲み交わす。
なんて幸せな人生なのだろう。
なんて幸せな人生だ。
幸せな人生なのだろう
幸せな人生だ
どうして子供の私は死なないんだろう
死ぬのは怖いな
痛いのは、苦しいのは嫌だ
死ぬことを想像すると、足が震える。心臓が生き急ぐように痛くなる。死んだ後に残された人を想うと後悔が押し寄せる。私が死ねば誰かが苦しむかもしれない。私の死が誰かを殺すかもしれない。私の死が誰かの人生に影響を与えるのかもしれない。私の死が何もかも壊すのかもしれない。
この世界の皆に嫌われていたらどんなに幸せだっただろう。
私を知る人が私の死を願うならどんなに幸せだろう。
私の死が人を笑顔にするならどんなに幸せだろう。
痛みも苦しみもない死がどんなに幸せだろう。
確定した死がどんなに幸せだろう。
選べる死はどんなに幸せだろう。
私が好いてくれていると思っていた人たちが、私のことを死ねばいいなんて思うほどに憎んでいて、それが自殺の後押しになるなら、全部幸せになるのに。
死ぬのは怖い
死にたくない
幸せになりたい
生きていて良かったと思いたい
痛いのは嫌だ
苦しいのは嫌だ
努力に幸せを見いだせたら良かったのに
幸せな人生を幸せだと思えたら良かったのに
小さな幸せを覚えていたら良かったのに
大切な人を愛せたら良かったのに
大人になったら死ぬ
それが生きる理由になってしまった
あと少しの時間で私は死ぬ
怖い
なのに
人生で、一番楽しみだ
明日が楽しみって、こんな感覚だった
やっと思い出せた
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