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「アイドルって言っても、まだ駆け出しのアイドルで、イベントに行ったら話すことも出来て、身近に感じられる人だったんだ」
「へえ……。舞、アイドル好きなんだ知らなかった!」
懐かしそうに笑みを浮かべて話す舞に、嫌な思い出ではないんだと安心する。
「そうなの。でもね、やっぱりアイドルだし、駆け出しだし。ファンとの恋愛なんて、彼のためにも絶対考えられなくて。
そのうちに、応援したい気持ちと好きの気持ちがごちゃごちゃになって……」
その言葉に、舞の言いたいことが少し伝わった気がした。
違うけど同じ。
舞も、叶わない恋をしてたんだ。
「それで結局、辛い方が勝って。
イベントに行くの辞めちゃったの。」
「そうだったんだ……」
「でも中学生の頃だし、そんな、もう引きずってるとかじゃないんだけどね!」
スッキリした表情で話す舞を見ていたら、それが本心だということは伝わってくる。
「でもそれが特殊だったからかなあ、なかなかクラスメートを恋愛対象に見れなくて……」
そこまで話して、私と目を合わせると、可愛らしく笑いながら言った。
「高校生のうちに、素敵な恋はしたいと思うんだけどね」
そんなふうに言う姿は可愛すぎて、こんなに可愛くてしっかり者なんだから絶対、絶対に!!
「できるよ!!絶対!!」
私は力強く、頷いた。
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