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私と和奏が今日から過ごす1A教室。
ドアに貼りだされた座席表を確認して、私たちはとりあえずそれぞれの席へと向かった。
和奏は相変わらず1番か。
名字が朝倉だからか、中学時代からずっと出席番号1番を誇っていた和奏。
「なーんだ、高校でも1番か」
不服そうに1番前の席へと進む和奏を見送って、私も自分の席へと移動した。
桜田、は、真ん中列の後ろから2番目。
自席を確認すると、後ろの席の男の子は既に席に座って、寝息を立てていた。
初日から寝てるなんて凄いな。大物そう。
薄っぺらい感想を抱きながら、静かにその横を通り過ぎて自分の席へカバンを置く。
「おはよう〜!席近いね、よろしくね」
そして、前の席に座る女の子に声をかけた。
お相手は、ショートカットの運動部っぽい女の子。
「お!よろしく!
あたし、桜井 夕夏!
夕夏って呼んで!」
イメージ通りの明るさに、私もほっとして緊張していた頬が緩む。
「よろしく、桜田春です!」
「お、桜!おそろいだね!!
あずまはどんな字?」
「春夏秋冬の春で、あずまって読むの、分かりにくいよね〜」
「えー!めっちゃ素敵じゃん春生まれ?」
夕夏は、初対面のその瞬間から、自然体で話しやすい女の子だった。
あまりの話しやすさにさっそく盛り上がり、話に花を咲かせる。
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