Lesson1 ~新生活~

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✼•• 入学式へと移動する時にも出会いがあった。 「そろそろ移動だよね」 盛り上がっていた会話を切り上げて夕夏が立ち上がる。 幸先良く友達もできて、鼻歌でも出そうな良い気分で、廊下へ出た私。 「わっ!ごめんなさい!」 そのすぐ後ろで、誰かの謝る声が聞こえた。 「あ……悪い。」 振り返った先では、ロングヘアのおとなしそうな女の子と、結平くん対峙していた。 女の子の方は、結平くんの鋭い目に顔を強ばらせ俯いている。 結平くんクールな感じだし、ちょっと怖いし、あの子大丈夫かな……。 「ごめんね~大丈夫?結平、鍛えてっから痛かったっしょ?」 私が戸惑っているうちに女の子に話しかけたのは蒼馬くんだった。 いつの間に見ていたのか、さっとフォローに入って行って、あっという間に打ち解けたように話し始めた。 「蒼馬くん、コミュ力高いね」 こそこそっと耳打ちする夕夏に、私も小さく頷く。 「私も入ってこよ〜!はじめまして!」 蒼馬くんに感化されたのか、夕夏は明るく会話に混ざって行って、私はまんまと取り残された。 「あ、はじめまして、 私、四宮(しのみや) (まい)です!」 「舞ね!あたし夕夏!よろしく! ほら、あずまもおいで〜!」 勢い負けしてしまっていた私。 夕夏の私を呼ぶ声は救いの声だった。 慌てて輪に入り、挨拶をした。 「桜田春です、よろしくね舞ちゃん」 舞ちゃんは、照れくさそうに笑っていた。 その笑顔は控えめそうな印象だったけど、とても可愛かった。
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