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✼••
「今日から君たちの担任になります、大原です。」
担任の先生は、穏やかな声をもつ、優しそうな中年の先生だった。
「優しそうだね」
小声で夕夏に話しかけると、夕夏もちらっと後ろを向いて頷いた。
「副担任の先生も1人います。楽しい1年にしましょうね。」
「はーーい!」
緊張感がまだ少し残る教室。
そんな空気を壊すように、一番乗りで返事をしたのは、隣に座る蒼馬くんだった。
もちろんクラス中の視線が集まるが、そんなの気にしない様子で笑っている彼に私も笑ってしまった。
「笑うなよ!」
ちらりとこちらを見て、いたずらっ子のように言うから、益々笑ってしまって、
「あはは、ごめんごめん!」
「許さねえ〜!」
楽しそうに返事をする蒼馬くんと笑い合った。
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