Lesson10 ~溢れる片想い~

1/12
前へ
/245ページ
次へ

Lesson10 ~溢れる片想い~

✼•• 火曜日の午後15時。 外の日差しを見つめながら、冷房の効いた店内で、カラカラと音を立ててグラス内の氷をかき混ぜる。 「店内は涼しくて快適だね」 「とか言いつつ、全然シャーペンは進んでないけどね」 今日は、舞ちゃん、改め、舞と夏休みデート。 課題攻略という名目で、おしゃれなカフェにやってきていた。 「夏休み入ったけど、8月になったらすぐ講習だよね!あずちゃん申し込んでなかった?」 ズーッと吸っていたストローを止め、ちらっと舞を見る。 「そうなんだよね……。」 わざとらしく、面倒くさそうなため息をついてみたら、舞はニヤりと笑った。 「とか言いながら、申し込んだの数学だけだって知ってるからねー!?不純な動機なんじゃないのー!?」 気付かれてしまっていたのなら、私は誤魔化しようが無い。 「舞様には敵いません。」 「ふむ、苦しゅうない。」 照れ隠しに、わざとらしく舞を崇めると、舞はそのノリに乗っかって笑ってくれた。
/245ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加