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「真守さん、明日は仕事ですか?」
「うん、朝から。」
「それなのに、ここに居ていいんですか?」
「なんで?」
俺は優馬に聞き返した。
「だって、俺は課題をやらないといけないから、ここに居るよりも家で休んだ方がいいんじゃないかと思って。」
「ふふっ、俺のこと気にかけてくれてるんだ。」
俺は飲んでいたコーヒーをテーブルに置くと、優馬の顔を覗き込んだ。
「眼鏡も似合うね。でも今は邪魔だ。」
俺はそっと優馬が掛けている眼鏡を外した。
「真守さん、今日はしませんよ。」
「分かってる。でも、キスくらいはいいだろ?」
「それなら...」
俺は優馬を見つめた。
俺を目の前にしても、彼は顔色ひとつ変えない。
それが新鮮でもあり、悔しくもある。
「なぁ、優馬って照れたりしないの?」
「そういう子が好みですか?」
すると、優馬は俺を試すかのように、俺の肩に腕を回した。
「俺が照れるのは相手に合わせて、そう見せてるだけです。」
「演技派だ。俺も見習わないとな。」
「真守さんこそ、そういうこと得意でしょ?」
「それもそうだな。」
「だから、照れない代わりに俺からキスしてあげる。」
そういうと、優馬は俺の唇にそっとキスをした。
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