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俺は車に乗り、エンジンをかけた。
そして、カーナビに優馬の住所を登録した。
車で20分と表示されている。
俺はゆっくりとアクセルを踏んだ。
俺はなぜ、優馬に会いたいのだろうか。
恋しいのか、それとも、ただ、寂しいだけか。
今はその答えが分からない。
そんなことを考えていたら、優馬のマンションの近くまで来ていた。
俺は近くのパーキングを探して、車を停めた。
車を降りた俺は、優馬のマンションまで歩いた。
時間にすると3分程度。
彼の住むマンションは、オートロックがなく、誰でも出入りできる仕様になっていた。
俺はエレベーターで4階に上がった。
そして、402号室の前で立ち止まり、インターホンを押した。
カチャ...
鍵の開く音とともに、優馬が玄関のドアを開けた。
「どうぞ。」
「お邪魔します。」
「散らかってますけど。」
「ううん、綺麗にしてるじゃないか。」
俺はスウェットに眼鏡姿の優馬を見つめた。
初対面の時とはまるで別人だ。
だが、なぜか目が離せない。
「俺の印象変わりました?」
「いや、うんと...まぁ。でも、今の優馬も気取ってなくていい。」
「お世辞はいいですよ。」
「これはほんと。」
「そうですか、ありがとうございます。」
優馬は一瞬、微笑んだ。
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