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歌番組の収録を終えた俺は、着替えを済ませ、すぐに次の現場へと向かった。
俺は今、ドラマ撮影の真っ只中にいる。
しかも、共演者は俺が1番会いたくないあいつ。
「おはよう、真守。」
その相手とは、人気俳優である上条涼雅だ。
「おはよ。涼雅。」
「どういう顔してるんだよ。」
「元からだ。」
涼雅は、俺の好きな人の恋人。すなわち、俺の恋敵である。
失恋の傷も癒えていないというのに、何が嬉しくて、こいつと毎日顔を合わせて、仕事しないといけないんだ。
だが、俺はプロだ。
完璧に役を演じなければ。
それに私情は関係ない。
「まさか、涼雅の兄役を演じる日が来るとはな。」
「俺も真守の弟役をやるとは。」
「ドラマ成功させような。」
「もちろん。」
俺は感情を押し殺し、涼雅に微笑んだ。
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