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孤独を埋める夜
「わぁー、すごい眺め。」
ホテルに入るなり、優馬は窓からの夜景に魅入っていた。
俺はその様子を冷めた目で見ていた。
スイートルームに泊まり、高級車に乗る金はある。
それくらい稼げるようになった。
だけど、本当に欲しい人の心は手に入らない。
この孤独を埋める為に、俺は目の前の男と一夜を過ごすのだ。
その行為に愛などない。
「優馬くんだったよね?先にシャワー浴びてきたら?」
「優馬でいいよ。真守さん。」
すると、優馬は俺に近づき、右頬に触れた。
「真守さんは誰を想ってるの?」
「え?」
「まぁいいけどさ。俺もあなたのこと見てないし。」
「どういうこと?」
「俺たち似た者同士ってこと。」
この男、鋭い。
俺は優馬をベッドに押し倒した。
「シャワーは?」
「後でいい。」
「図星だったんだ。」
「もう黙って。」
俺は優馬の口を強引に塞いだ。
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