週末異世界Ⅳ ~聖女様と空腹のダンジョン

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「すごいよレイナ! 大陸のダンジョン攻略最短記録達成だ!」 「レイナ嬢の指示で切り札を持ち歩いたが、使わずに済んだな」 「そんな些事どうでもいいわ。お肉でみんなの空腹を癒すのが先よ。ピート、炎魔法で火を起こして。ウォルフは包丁、アリスはタレを準備」 「切り札がここでも役に立つのか。さすがはレイナ嬢の先見の明だ!」  了解、と全員が弾んだ声で答える。  私は食糧庫の前に立ち、開錠呪文を唱えた。氷の扉がごごごごと音を立てて開き、冷気が漏れ出す。 「さあ、高級お肉とご対面よ!……って、あれ?」  広い庫内は、がらんどうだった。あるのは小さな宝箱一つ。  不審に思いながら宝箱を開けると、中から上質紙の束がでてきた。 <王都の高級おにく券100枚セット ※引き換えは署名人(ミーナ)のみ有効> 「なんじゃこりゃあああっ!!!」
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