週末異世界Ⅳ ~聖女様と空腹のダンジョン

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「そんな危険なトラップなのかよ」 「ええ。ボケっ娘キャラの丸焦げ料理と違って、見た目からも匂いからも判別できない。ただ完璧お嬢様タイプ美少女が作る完璧料理ほど、中身は凶悪ミミックという法則はあるわ」  全員の視線がミーナの笑顔にくぎ付けになる。 「笑顔で『腕によりをかけて』『おいしいから全部食べて』が発動したらフラグ説もあるけど、『自信ないんだけどな……』とか言いながら生ゴミを差し出す美少女もいるから油断できない。そこで『君の手料理なら何でも食べるよ』の選択肢が出ちゃったら百パ死亡確定。猛毒料理で疑いない」  ひ、とアリスが小さな悲鳴をあげる。 「それなら僕が罠探知魔法をかけよう!」  ピートが呪文を唱え料理に手をかざす。するとオムレツ全体が青く優しく輝いた。 「よかった、レイナ。これは三ツ星料理の当たり宝箱だよ!」 「甘いわピート。美少女料理はミミックよりはるかにたちが悪い。危険度はマックス即死レベルでも、罠探知魔法も解除魔法も浄化魔法も一切効かない」 「どうして?」 「使っているのはすべて普通の調味料だからよ。なのに美少女が料理すると『料理下手』という隠れ属性が発動して味変し、なぜかどうやっても腐った毒々スライム味になるの! クックパッドも驚天動地の謎レシピよ。猛毒なのに毒消し魔法が無効なのも、それが理由」
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