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「ちょっと待て。以前の石長ならば激怒していた……はずなんだが」
「変わったんです。それにとても綺麗になったと俺は思います」
木花咲耶姫と石長比売の授業の話をすると、「大変だったことだろう」と何故かため息をついている。
「でもね、志那都比古神様。今も根菜や山の幸をお届けに来てくださって、仲良くさせていただいてますの。たまに夕食も一緒に。翔平の兄の純平が帰ってきた時が多いですけど、とても良いお嬢さんなんですよ」
ば、婆ちゃん!
兄貴の事はやめてくれ!
ほぉ?と呑気にお茶を飲んでいる横で「風呂だ!」と迦具土が引っ張っていってしまう。
また、シャンプーからボディソープまで教えて体を拭いて着物を着せるまで面倒を見るのだろう。
一緒に住むようになってから余計面倒見が良くなったというか、やはりオカン体質なのでは?
「婆ちゃんたち、今のうちにシュークリーム食べちゃってよ。見られたら食べたいとか言いそうだから」
祖母たちに食べてもらってから、念入りに消臭剤をふる。
「ここまでしなくとも」
「ダメダメ。もう甘いもの覚えちゃったから少しでも匂い消さないと!」
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