神様再び

37/54
101人が本棚に入れています
本棚に追加
/54ページ
そう言えば、初めて大国さんが家に来た時に、子どもの姿ではあったが「ちゃんと勤めをしているのか?」と聞かれた時は何故か怖いというより迫力があった。 脅されているとかそんな感じでもなく、威圧感があったような…… 「迦具土、大国さんてどんな人?」 「今更か?そうだな……大食いでわがままで、イタズラが好きで……」 「そうじゃなくて神様として!」 「俺たちは神産みの神だ。大国様は国産みの神。そう別れてはいるが同じ神に変わりは無い。確かに国を治めるまで長かったが、国を造った神の一人であるし、そこには威厳もあるから関わった神などはやはり敬意を払う」 「その言い方だと他にも国造りの神がいたってこと?」 「お前が持っていた本にはそう書いてあったしあながち間違いでもない。志那都比古神が言っていたことが気になるのなら、気にはしなくていい。お前が使いを疎かにしたら怒られる程度だろう」 やっぱり…… だが、押しつけはダメだ! 神社に不思議空間の家があるんだから、そこでお風呂とか食事とかは面倒見てもらいたい。 道真さんの時はみんなが忘れていたから仕方がなかったが、そのへんが雑というか。 さらに言えば、茅葺き屋根のあの家に風呂なんてものは無い! 神様の授業に風呂と食事が入るなんて、うちは弁当屋でも風呂やでもなければ旅館でもないんだ! と大声で叫びたい気持ちを抑えて風呂場へと行く。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!