プロローグ

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   皆様こんにちはこんばんは。中田多喜(なかたたき)といいます。今俺の隣に人間メガホンがいます。  ん?状況が分からない?ならば一から説明しよう。  俺は高校2年のちょっと腐ってるオタク平凡男子です。はい。高校は地元の公立に行ったのだが、事情により地元の隣の隣の市にある私立高校に通うことになったのだ。事情というのは………どうせ後で分かるから省く。  そして現在、その私立高校から来たリムジンに乗っている。いや、無駄なとこに金かけすぎだろとは思ったが、それより中に先客がいたのである。  それが人間メガホンだ。扉を開きこいつと目が合った瞬間、「ポチ!!!!」って叫ばれたんだけど。歩道を歩いてた人に白い目で見られ、恥をかいた。 「………チ、ポチ、ポチ!!!!!!」 「ヘイッ!?………ってさっきからポチポチうるせえ!」  思考放棄しかけていた脳にメガホンの声が響き、少し声が上擦る。てか、こいつ隣でずっとポチって叫んでたのか。こわ……… 「ポチ……やっぱり、そっくりだ。」 「え、トゥンク(棒)」 「2ヶ月前に亡くなったイグアナのポチに……」 「え、イグアナ?犬とかじゃなくてイグアナ??」 「う、ううううわああああんポチーーー!!!」 「うあっ、泣き出した。よしよし」  泣き出したメガホンの背中をさすってやる。まだ大泣きしているメガホンをじっと観察してみる。  黒い……前髪長めのもじゃもじゃ毛におそらく油性ペンで描いたのであろう渦巻き模様が入ったビン底眼鏡。極めつけに蛍光ピンクのマスク。いや絶対いらねえだろ。マスク以外完璧に王道転校生だな。  俺がBLにハマるきっかけとなった王道学園モノの主人公そのまんまだな。しかも今向かってる私立薔薇添(ばらぞえ)学園も王道学園と腐界隈で名高い場所である。
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