プロローグ

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 シュタッという効果音でもつきそうなくらい俺を抱えるこいつ……もう王道でいいか、王道は華麗に着地した。と同時に拍手の音が聞こえる。 「おーおー、見事な着地だな。ぱちぱちー」 「うおっ、お前誰だ!?」 「あの、降ろしてほしいんだけど」 「ヒヒッ、俺はーそうだな、やっさんと呼べ」 「やっさん??変わった名前だな!!」 「あのー」 「俺はお前らの案内役だ。まーとりあえず着いてこい」 「おお!分かったぞ!!」 「俺のことめっちゃ無視するじゃん……」  俺のことガン無視しまくる二人。まだ担がれたまま解放されてないんですけど。ていうか、案内役といえば副会長だろ。絶対このやっさんとかいうやつ副会長じゃないだろ。  まあ担がれてるからやっさんとやらの姿は見えないし、今どこに向かっているのかすら分からないのだが。  歩いて、というか担がれて5分程経つと前を歩くやっさんから声を掛けられる。 「着いたぞーここが理事長室だ」 「そろそろ………降ろして………」 「ん?ポチ大丈夫か!!?」 「ちょっと酔った……」 「俺の役目はここまでだ。面倒事は起こさないようになー。あとは頑張れよー」  うう、急に降ろされたせいで視界がぐわんぐわんする……。うずくまっていると肩に重みが加わる。 「……しっかり手綱は握っててくれよ。中田クン」  肩から重みを加わえていたやっさんの手が離れていった。耳元で言われた言葉の意味は分からなかったがとりあえず、イケボの小声耳元ボイスはヤバいということだけ分かった。腰砕けるかと思ったわ。  というか、俺、名前教えてないよな?
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