プロローグ

5/15
50人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
 私立薔薇添学園。この学園は由緒正しい家の後継者や有名な大手企業の次期社長から、テレビや雑誌に載っているような有名人、一般家庭の出自である庶民までバリエーション豊かな生徒達が在学している。  まあ、私立の高校なので学費は高い。なので庶民よりも社会的に地位の高い者の方が多い。元々はお坊っちゃましか入れないような学園だったのだが、少子化による入学者の減少により、特待生制度というものが設けられた。  この制度は入学試験の成績優秀者に適応されるものである。学費の免除であったり、校内で優秀な成績を修める、または何らかの大会等で賞をとることで更に給付金が貰えたりする制度だ。完全に一般庶民用の制度なので、お坊っちゃまには適応されないようになっている。  かく言う俺もこの制度のおかげで入学できたのだ。  そして、現在、その素晴らしい制度を作った理事長の目の前にいるのだが………… 「どうしたのかね?座りたまえ、中田君」 「は、はい……」  どう見てもショタなんだが。  茶色のふんわりとした毛は日に当たると眩しいくらいに輝き、その眩しさが子供の純真無垢な姿を連想させる。身長も俺の腰よりちょっと上くらいしかない。幼さが残る顔立ちだが、もう少し成長したらかなりのイケメンになりそうだ。  ただ………口調がやけにおじさんというか……子供っぽくないというか。 「ははっ、やはり僕を見ると皆驚くものだね」 「え、えーと。失礼ですが、ご年齢は……」 「そうだな…君たちより30年は多く生きてるね」 「え、てことは4「叔父さん!」へ」  オイオイさっきまで大人しくしてたと思ったら、いきなりオジサンて………。さすがに失礼だろ王道よ。まあ俺もちょっと思ったけど。 「久しぶりだね、道生(みちたか)。元気にしていたかい?」 「おう!」 「え待ってまさかお知り合い??」 「ああ、道生は僕の甥なんだよ」  ま、まじか。王道展開ktkr…………(感激)
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!