プロローグ

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 やっさんは王道から外れていたが理事長との関係はまさしく王道だ。これぞ俺が求めていたエデン………… 「さて、まずは入学おめでとう。二人とも」 「おう!」 「あっ、ありがとうございます」 「この学園について僕から説明したいところなんだけど生憎これから会議があってね。だから、彼女に教えてもらうと良い。さ、入りなさい」 「失礼いたします」  ショタ(偽)理事長がそう言うと重厚な扉が開き──   「この度、お二人の案内役をさせていただきます、誠条院麗華(せいじょういんれいか)と申します。よろしくお願いいたします」  悪役令嬢ドロテア様が入ってきた。いやほんとにドロテア様じゃん。あ、ドロテア様っていうのは最近ハマってるアニメ「転生して牛乳雑巾絞ってたらいつの間にか溺愛されてます!?」に出てくる悪役だ。  金髪の凶器感のあるドリルを装備しており、主人公のルルテアちゃんにドリルで攻撃しまくるいじめっ子である。  目の前の彼女も、ドロテア様には劣るが殺傷力高めのドリル巻きの髪型をしている。しかも金髪だし。結構濃いめのメイクもドロテア様によく似ている。もしかしてドロテア様のファンなのだろうか。ちょっと仲良くなれそうだな…。  勝手に親近感を覚えていると彼女に怪訝な顔をされた。スミマセン、ぼかぁ陰キャなんで、脳内で会話はできるけど、三次元のおなごとは話せなくてェ………………ん?というか 「あのここって男子校じゃなかったですっけ」 「ん?知らなかったのかい?ここ薔薇添学園は去年から百合園女子学園と合併して共学になったんだよ」 「……ど、どぅええええええええええ!?」  嘘ぉん……王道学園じゃなくなっとる……。まあ、この学園が王道だと知ったのは二年前の情報からだったし、転校も急に決まったから学園について調べる時間がなかったのもあるけど……結構ショックなんだが…………
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