プロローグ

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 いや待て。女子がいるということはつまり。俺にもアオハルチャンスが……!?  小学校も中学校も女子と話さなかった(話しかけられなかった)けど、高校からは本気出すから!  中学は女子に話しかけようとするとなんか避けられたんだよな。何故に?ショックで寝込みそうになった記憶を今でもはっきりと覚えている。あと、男に告白されたこともあったな。 「……それじゃあ、誠条院さんよろしく頼むね」 「はい、お任せ下さい」  俺が過去の回想をしている間に話が終わったようだ。ヤバい何も聞いてなかった…… 「中田様、校内をご案内させていただきますね」 「よろしくお願いします。ドr……誠条院さん」  失礼します、と言って出ようとするが王道が着いてこないことに気がついた。 「王道クン来ないの?」 「王道??俺は叔父さんと話してから行くぞ!!先に行っといてくれポチ!!」 「そっか、また後でね」  会話を終えて外に出ると、ド…誠条院さんが待っていてくれた。ていうか、王道がいないってことは二人っきりじゃん!き、気まづい、何話せばいいんだろ……  陰キャムーヴをかます俺に誠条院さんは俺の体調が悪いとでも思ったのか。 「大丈夫ですか?保健室行きます?足つぼマットで悪いところ確かめます?」  そういって懐から足つぼマットを取り出した。いやどこにしまってたんだ。サイズ的に絶対ポケットに入らないだろ。 「い、いや大丈夫です……」 「そうですか…。つらい時は言って下さいね」 「あ、ありがとうございます」 「いえいえ」 「……………」 「……………」  ………………この沈黙が、き、気まづいよォォォ。誰か、助けてくれ、俺に知恵とコミュ力を授けてくれ。
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